No.9 思考と感覚の通り道

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    ブリヂストン美術館・青木繁展(11・8・26)
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      ブリヂストン美術館の青木繁展を観てきた。
      正直なところ青木繁のことはあまりわからず(そもそも画家や絵画に明るくないし、知識もない)、まっさらな状態での鑑賞になった。

      案内に従って最初の展示室に入り、すぐに見えた「輪転」。いきなり“良いな”と思える作品だった。瞬間、幻想的な光景を幻視した気がする。
      烈しいタッチではないが躍動感があり、神話的風景がよく描けている気がした。

      その隣あたりにあった「自画像」は無駄にかっこよく(笑)、こんな自画像初めて見た!と思ってしまった。素晴らしくかっこよく自画像描いたなって(笑)。

      そうして見ていると、淡く線がはっきりしない作風なのかなって思えば、「石膏のデッサン」(展示番号2)の精確な筆致を見ると、きちんと描く技術もしっかりと持っていたのだな、と感じさせられる。
      あとになって初期の作風なのだと気付いたが、「輪転」同様に淡く幻想的な描き方をした初期の代表作「黄泉比良坂」では苦悩しながら逃げるイザナギが見える。

      明治37年に1ヵ月半ほど、房州布良(めら)に滞在したときに描かれた海を題材とした作品というものが何点かあった。
      キャプションには「モネの海景画を青木が実地に見ていたことを想像させる」とあったが、「海」(番号80)という作品はまさしくモネの感じが現れていたように思う。
      特に波の感じが近いんじゃないかな。「海」の岩は荒々しい点描だったが、「海景(布良の海)」(番号82)は点描で打たれたそれぞれの色が科学的に融合していて、より自然な感じに仕上がっていた。
      しかし「海」の岩も青木の印象がそのまま現れているようで良い。岩の質感がまざまざと想像できる。

      そして青木繁、一番の代表作「海の幸」は実に原始的なエネルギーに溢れていた。逞しい肉体の男たちが裸で漁から帰ってくる一場面。
      漁で獲ったのはまさかの“鮫(サメ)”で、それも計3匹も捕えたようだ。大漁といってもいいのだろうけど、男たちの表情はなく、特に喜びの様子もない。原初の風景を思わせる。ただ、その中でひとりだけこちらを見ている顔があるのが実に印象的だった。

      山幸彦と珠豊姫の出会いを描いた縦長の大作「わだつみのいろこの宮」は青木の自信作でもあったらしいが、東京府勧業博覧会では3等賞に終わっている。個人的は好みで、構図が良いなと思った。
      絵画が縦長で照明との位置関係のせいで、描かれている山幸彦の顔が反射で見にくいところがあったのは残念。見る角度を変えながら山幸彦の表情を見たら、山幸彦と玉豊姫が視線を交わし合っているのがわかった。
      ちなみに山幸彦の顔は日本人っぽくないような気もする。

      図録などを眺めていたら、この頃の青木の絵画には「アールヌーヴォー様式の造形の影響」などとあり、そう言われれば確かに、と頷けるところがあった。
      しかし、そのような影響を垣間見ることもできつつ、青木繁がその要素を自分なりに吸収していたことは作品を見れば瞭然で、どれも青木繁というひとつの様式を築いているという印象を受けた。

      しかし、それ以後の作品となるとどこか精彩を欠いてしまっている気がしてならない。
      どこかで青木繁の代表作「海の幸」がピークだという見方もあるらしい。個人的には「海の幸」以後も良いと思うものはあったが、確かに末期の作品になるとそれまでとはタッチや色遣いそのものがだいぶ変わっており、以前のようなエネルギーを感じることができない。
      「筑後風景」など構図としては好みであるものの、今ひとつ物足りない。

      ただ「繊月帰舟」や遺作である「朝日」など、それまでの作風とは違うものの穏やかな壮大さが絵画から伝わってくるものもあった。
      それまでのような迫りくるような烈しさではなく、包み込むような海の穏やかさ。パステルのような色調の美しいグラデーションが目を引く。

      青木は死を目前にして、何を思いながら描いたのだろう、などと思って観ていると感慨深いものがあると思う。
      28という若さで亡くなったが、案外その心中は穏やかなものだったのかもしれない。

      | 匡介 | - | - | - | - | - |
      シルク博物館(11・7・26),動物園(11・8・15),Teeシャツ(11・8・16)
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        少し前に横浜にあるシルク博物館に行った。


        シルク博物館

        それぞれに必要な蚕の繭の量。
        着物なんて相当な量。しかもこれを手作業で糸口を探し機械にセットして糸を巻き取るので、なかなかの手間隙と労力だということがわかる。

        手で回して糸を巻き取るのを体験したけれど、1個の繭玉でも結構疲れた。
        昔を思うと「すごい」の一言しか浮かんでこない。よく繭からいろいろ作ったなぁ。


        蚕

        生きた蚕も展示されていた。
        いろいろな種類がいたが、とにかくザワザワと蠢く音が不気味。入るときに小学生の女の子と入れ違いになったけれど、あの子はよくあんな笑顔で出ていったなあ、という感じもする。

        年に何人の子どもたちにトラウマを植え付けてるんだろう…と思わないこともない。

        だって、これからシルクが出来ていると知ったら「シルク製品いやだ!」って子も中にはいると思うんだよね。
        おそるべし、シルク博物館。


        そして全く別の日には動物園に。

        ヤマアラシ

        たまたま夜の動物園がやっていて、行ってみた。
        ヤマアラシはもぐらの仲間らしい。バナナを食べてた。

        カピバラ

        昼だけじゃなく夜も相変わらずのんびりしているカピバラ。
        この無気力加減はすごい。いつ見ても一定の無気力感を保っている。

        夜に行ったので、やはり昼行性と夜行性では活発度が違うようだった。

        一番見たかったピューマは寝ていた。(昼行性なのか?)
        そして好きだったユキヒョウはいなくなっていた。残念。


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        | 匡介 | - | - | - | - | - |
        青森(2011・8・12)
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          初めての青春18きっぷで、青森に行った。


          新青森駅

          何時間も電車に揺られて新青森駅へ。
          ガラス張りのクリアなファサードは、いかにも現代的。

          いろいろ充実しているとはいえないけれど、隣接する建物ではお土産が充実していて良い感じだった。それなりに見やすい店舗配置、レトロ感ある雰囲気など好感が持てる。


          ENTRANCE4

          駅からバスに乗り、青森国立美術館に訪れた。
          ちょうど白い外壁が青空とマッチしていて、なかなか良い。



          ENTRANCE5

          複数ある入口が面白い。



          シールを貼って、来訪者の手によって色づけされているゾウ。

          内部も面白く、大きなキューブの中に小さなキューブがいくつも入っているような印象を受けた。高さも利用した建物づくりは、より立体感を感じることができて面白い。
          ちょっとした迷路のような造りになっていて、あるところから見える場所にどうやって辿り着けばいいのか一見しただけではわからないかも。




          『光を描く 印象派 美術館が解いた謎』展はタイトル通り、印象派の絵画を科学的視点から考察したちょっと変わった企画展。
          単なる作品の展示ではなく、色彩の不思議を体感できるコーナーなどがあって、ある意味美術館っぽくない。キャプションも科学的な視点からの説明で、普段とは違った絵画の背景を知ることができた。

          ただ作品数が71点とやや少なく、ゴッホも1点だけで、それもあまりゴッホっぽい作品じゃなかったのは残念。
          でも贋作をあえて展示していたあたりは、コンセプトがはっきりしていて良かった。

          そのあと常設展も覘いてみたが、いきなり奈良美智の立体作品が続き、そのあと寺山修司のポスターや映像作品や棟方志功の版画や絵画などがあり、常設っぽくない印象を受けた。
          立体作品やポスター、映像といったものが続く常設の展示は初めてかもしれない。

          個人的に興味を惹いたのは成田 亨のウルトラマンや星人、怪獣といったもののデザイン画。
          「セミ人間」というバルタン星人の原形となったらしいデザインやバルタン星人も最初は両腕がハサミではなかった?らしいところも見えて、とても面白かった。








          外に出て、階段を昇り降りしながら狭い通路を抜けて見えたのが「あおもり犬」。
          青森県立美術館といえばコレってくらい印象的なオブジェ。一応、パブリックアートの範疇に入るのだろうか?

          とにかく大きい。

          ある意味、犬のキャラクターを大きくしただけではあるが、そうするだけでこれだけ印象的なオブジェに変わることが感動的ですらあるかも。




          ミュージアムショップでは寺山修司のクリアファイルとピンズを購入した。


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          | 匡介 | - | - | - | - | - |
          2011・7・10
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            ミッドタウン


            サントリー美術館に行ってきた。「鳳凰と獅子」展。
            3対の狛犬が展示されていた。どれも木造で、石とはまた違う意匠や味わいがあった。

            狛犬によってそれぞれデザインが異なるように、獅子や鳳凰といったものも作者によって違いがあった。どれが正解というわけでもないから、それぞれの獅子、鳳凰を楽しめた。

            展示品の中で気に入ったのは「仏涅槃図」。
            どれだけ見ていても飽きない面白さがあった。日本画の感情表現は素晴らしいな、と思う。一幅の中に描かれている人や菩薩、天女や竜、獅子、鳳凰、亀。どの生き物にもそれぞれにドラマを感じた。

            狩野永徳と狩野常信の獅子画では、時代の変化が獅子の表情に反映されていて興味深かった。
            永徳の獅子はいかにも猛々しく強そうだが、常信の獅子は温厚なイメージだった。戦国の世の安土桃山時代と江戸時代という世の中の移ろいがそこに感じられた。

            最近、日本画の味わいというものに改めて気付かされている。西洋画とは違った魅力が面白い。
            西洋と東洋の絵画に対するアティチュードの違いが伝わってくる気がする。

            ベンチ


            サントリー美術館がある東京ミッドタウンのつくりも面白い。
            光の建築というイメージで、非常に光を感じられるように意図した感じがある。それが透明感のある空間を演出していて素敵だ。

            サントリー美術館のあるガレリアは吹き抜けにある竹は階によって見え方が違うのも面白い。地下からは見上げるように高く伸びている竹が1階では目の高さにあってだいぶ印象が変わる。

            ミッドタウンの随所にあるパブリックアートも、全体で空間を演出しようという感じが伝わってきて、とてもアーティスティックな空間だと思った。

            公園とビル


            公園は、そこが都会だということを忘れさせてくれるような緑の空間。
            緑の繁る小道を歩けば、木々に視界が遮断されてビル群は見えなくなる。近くには小川が流れ、目と耳で自然を感じられるようになっていた。

            自然の中で、ひと時の休憩が楽しめる。
            そういう公園のつくりになっていたと思う。

            遊具も独特で、視覚で楽しむこともできるデザインになっていた。
            こういう公園で遊んでいたら、子どもの感性が磨かれてしまいそう。

            ブランコ

            ブランコ2

            滑り台


            ミッドタウンは、大人も子どもの楽しめる空間なのかもしれない。



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            | 匡介 | - | - | - | - | - |
            from National Gallery of Art@国立新美術館
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              今日は国立新美術館で開催中の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」展に行ってきた。

              入って最初に見えたのが、カミーユ・コロー(Jean-Baptiste-Camille Corot)の『うなぎを獲る人々(The Eal Gatherers)』という絵画。
              コローといえば、ミレーなどと並んでバルビゾン派を代表する画家のひとりである。彼の絵画は叙情的で、とても繊細な筆致で描かれており、さりげない風景を詩的に描き出している。
              全体の大半を緑で覆った『うなぎを獲る人々』は見るからに繊細で、コローの特色がよく出ていると思った。

              そして同ブロックにはジュール・デュプレ(Jules Dupre)やシャルル=フランソワ・ドービニー(Charles-Francois Daubigny)などの同じくバルビゾン派の画家や写実主義(レアリスム)のクールベ(Gustave Courbet)など、のちの印象派に繋がっていく作品が展示されていた。

              この企画展のサブタイトルには「印象派・ポスト印象派」とあるが、好きなバルビゾン派などの絵画を展示しているブロックがあるのは嬉しかった。(このブロックは「印象派登場まで」と題された区画。)
              正直なところ、一番気に入ったブロックだったかもしれない。中でもデュプレの『古い樫の木(The Old Oak)』という絵はシンプルだが、迫力があって好きだった。(厚塗りをしていたことで、立体感があった。)


              そして、第2部「印象派」。
              モネ(Claude Monet)の作品が数点あったが、個人的に良いと思ったのは『ヴェルトゥイユの画家の庭(The Artist's Garden at Vetheuil)』。両サイドに広がる向日葵(?)と上に続く階段、青い空が絵全体に広がりを与えている気がした。爽やかな夏の日がイメージされる気持ちの良い1枚だと思う。印象派特有の荒々しく短い線の筆が、夏の陽光とそよ風を上手く表していたのではないだろうか。

              バルビゾン派が好きなので、どちらかといえば人物より風景を描いた絵画の方が好み。
              印象派を代表するルノワール(Pierre-Auguste Renoir)の展示作の中でもそういった作品の方が楽しめていた気がする。そんな中で『シャトーの漕ぎ手たち(Oarsmen at Chatou)』という絵は、今回展示されていた作品中でも変わっているな、と思った。他のルノワールの作品より明らかに色彩が激しい。それまで淡い色調のものが多かったのに、この絵だけが荒々しく主張するような色遣いをされていた。少し、野獣派(フォーヴィスム)に近いものがある気がする。
              そういう意味では『皿の上の桃(Peaches on a Plate)』という静物画もそうだったかもしれない。サイズ的なこともあり『シャトーの漕ぎ手たち』の方がインパクトがあったけれど。

              基本的に青や緑の遣いが上手い絵が好きな傾向があるので、メアリー・カサット(Mary Cassatt)の『青いひじ掛け椅子の少女(Little Girl in a Blue armchair)』も好きだった。これは描かれた少女の表情もとても良い。

              ギュスターヴ(Gustave Caillebotte)の『スキフ(Skiffs)』は自然な奥行きを感じさせる遠近法とスキフ(カヌー)の配置が構図としてとても面白い。どうやらギュスターヴは川を描いた絵画が多いらしいが、それだけあって素晴らしい出来だと思う。

              第3部は「紙の上の印象派」で、油彩ではない作品が展示されているブロック。
              ここで最も気になったのはメアリー・カサットの作品数点。どうも雰囲気が日本画っぽい。おそらくカサットは日本画の影響を受けていた画家なのだろう。明らかに日本画を意識した絵だと思った。
              あとはセザンヌ(Paul Cezanne)の『ゼラニウム(Geraniumus)』。鉢に入った観葉植物を(確か)水彩で、実にみずみずしく描いている。

              そんなセザンヌの油彩画は、このあとの第4部「ポスト印象派」に数点展示されていた。
              厚塗りのヴォリュームのある絵が数点続いたかと思うと、まるで水彩画のように淡い色遣いの絵画もあった。『水辺にて(At the Water's Edge)』『川辺(Riverbank)』がそれだ。どうもセザンヌはいろいろな描法を試していたらしい。展示されていた中で、最も年代が新しかった『りんごと桃のある静物(Still Life with Apples and Peaches)』を見て「なるほど」と思った。構図といい、色彩といい、独特で、個人的には彼の他の作品より完成度が高いように思った。普通の静物画とは違う印象を受ける。
              見たままを描いてるのではなく、形や色がさりげなく、しかし大胆にデフォルメされていたのだと思う。その独特のコントラストが絶妙で、とても良かった。

              他に「ポスト印象派」のブロックで気になった絵といえば、ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)の作品。点描法を駆使して描かれた絵は、複数の色を使用することで独自の絵を創り上げていた。
              補色を使った点描は、近くで見るとそれぞれの色で目が眩んでしまいそうになるが、少し離れると見事な色彩に変化していた(昔のアナログテレビの画面を間近で見ると小さな長方形の色が並んでいるのに、離れるとちゃんと映像として見える感じに近い)。

              そして最後を飾っていたのはゴッホ(Vincent Van Gogh)。
              実をいえば、今までゴッホの作品をちゃんと実際に見た記憶がないような気がするのだけど、これまで人気ほどの良さがわからなかったのだが、あれは実物の絵画を見なければダメなのだと思った。あの重ねに重ねられた厚塗りの描法は、印刷などでは味わえない重量感と存在感を醸し出していた。
              精神病院から退院後に描かれたという自画像は、若干やつれた風でもあるが、その眼にははっきりとした力が宿っている。パレットを持ったゴッホの表情は絵画への執念か鬼気迫る感じすらした。



              ワシントン・ナショナル・ギャラリーは、その所蔵のほとんどがアメリカ市民による寄贈であるらしい。
              まさにアメリカ市民が全員で作った美術館という感じで、とても素晴らしいと思った。

              いつか実際に行ってみたい。


              | 匡介 | - | - | - | - | - |
              REYKJAVIK WHALE WATCHING MASSACRE.
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                新宿、K's cinemaにて「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー(原題:reykjavik Whale Watching Massacre)」を観てきた。

                初めての映画館というのはいつもドキドキで、そして楽しみ。
                結構観やすい劇場だったと思う。

                そしてアイスランドのスプラッター映画「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」はタイトルからもわかるのだけれど「悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)」のパロディー的映画。(あのレザーフェイスを演じていた俳優が出ている! しかしレザーフェイスは顔がわからないので感動が薄い!笑)
                「悪魔のいけにえ」同様にイカれた一家が人を殺しまくる内容だけど、肉屋から捕鯨業の一家に変えたところが良い。海。船。明らかに逃げ場がなくて、殺しにはもってこいのシチュエーションではないか。

                正直なところ、始終ニヤニヤしながら観ていた。

                というのも、次の展開が読めつつも非常に好みの展開なのだ。
                工具! 斧! 銛! 救難信号銃! どれも使い方がツボだったと思う。

                「トラ トラ トラ」と言いながら火薬の詰まったバッグを渡すシーンなど、細かいところにユーモアを交えているな!って感じ。
                人数がいても、ちゃんとそれぞれがキャラクターを持っているところも良いと思った。

                祐木奈江の演じるエンドウというキャラクターもいい雰囲気を出していたし(もう少し活躍してくれてもよかったけれど)、やや粗削りな感じもありながらなかなかの良作。シニカルな展開は、監督の遊び心も感じられた。

                「悪魔のいけにえ」を知っていて観れば面白さも倍増だと思う。

                ちなみに脚本は、あの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でビョーク演じるセルマの歌う曲の歌詞を手掛けているらしい。
                歌詞を手掛けているからといって、それをキャリア的に脚本家としてどう評価していいのかはわからないが(笑)

                キャラクターがしっかりしていたので、もう20分くらい延ばしていろいろ展開してもいいとも思った。あまりに使い方がもったいないような人物もいたので。

                ちなみに船長の事故も、最初の殺人も、マサカー(虐殺)ではなく日本語で「まさかー!」な感じがあったかと思う(笑)
                個人的にはスプラッター・ホラーの体で、ブラックなコメディーという感じ。素敵な「悪魔のいけにえ」オマージュ映画だった。
                | 匡介 | - | - | - | - | - |
                ゲンスブールと女たち。
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                  ル・シネマにて「ゲンスブールと女たち(原題: Gainsbourg, vie héroïque)」を観た。

                  音楽家であり芸術家でもあるセルジュ・ゲンスブールの人生を映画化した作品。
                  正直、ゲンスブールのことはよくわからないまま観に行ったのだけれど、とても面白くて満足だった。

                  漫画家でもあるという監督(初監督作になるらしい)ということもあってか、コミックのような表現がなんともいえない味わいを出していてよかった。
                  シリアスな面もありつつ、ユーモアも交えているために笑えるところもあり、非常に楽しみながら観れた。全編にわたって音楽が取り入れられているのも個人的にはツボ。そもそもミュージカル映画とかが好きなのだ。

                  しかし、歌で何人もの美女を口説き落してしまうゲンスブールが羨ましい(笑)

                  予想以上に面白かったので帰りにはパンフまで買ってしまった。
                  楽曲が素敵なので、CD買いたいな。
                  | 匡介 | - | - | - | - | - |
                  Black swan and Tokyo gore police.
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                    このまま引き延ばすと上映が終わってしまいそうなので、「ブラック・スワン(原題:Black Swan)」を観てきた。

                    構造がシンプルなため物語性は薄いのが残念だが、ナタリー・ポートマンの演技はよかった。スリラーというよりはホラーに近い(そして見てて痛い)。
                    現実と幻覚の倒錯感はよく出ていて、それがサウンド・エフェクトによって引き立てられていたように思う。白鳥の湖の楽曲も実に効果的に取り入れられていて、鬼気迫る感じが実によく表現されていた。

                    ただスリラーの演出の大半がVFXに依存していたようにも思える。

                    もう少し古典的な要素にも重点を置いてくれていたら、より面白かっただろう。
                    あとプレッシャーによる幻覚が始まり現れ始めているのは残念だった。プリマ(主演)である白鳥の女王に抜擢されてから、徐々に現実と幻覚の境界がわからなくなっていくのならばわかるのだけど、最初から非日常感が強かったと思う。

                    日常からの非日常へ一転した方が、ありきたりではあるけれど、やはり面白かったかな。

                    だから、脚本はそれほど…という感じ。
                    ナタリーだけではなく、ミラ・キュニス(Mila Kunis)も実に良い縁起をしていたように思う。

                    クレジットでウィノナ・ライダーの名前があって、あれ、いた?と思ったら、ナタリーの役が抜擢される前までのバレエ団の元プリマの役だった。
                    思い返しても、ウィノナってわからない。観た中で一番最近の作品では「スタートレック」に出ていたはずだけど、なんとなくイメージが「エイリアン4」のウィノナで止まっている。

                    ストーリー的にはあれだけど、あの楽曲の効果をフルに体感するには劇場で大音量の方がいいかもしれない。
                    あと、圧倒される終盤は見応えがあって物語の薄さを補われた気も。



                    近くのTHUTAYAがレンタル値下がりしていたので、DVDを借りた。
                    で、「東京残酷警察」を観たのだけど、B級感満載でチープな感じ。TOKYO SHOCK第1弾の「片腕マシンガール」は面白かったし、同監督の「ヘルドライバー(インターナショナル版)」は面白かったので期待していたのだけど(評判もよかったし)、思ってたほどではなかったかも。

                    ある意味、「ヘルドライバー」でちゃんとレベルアップしてるのかな。

                    個人的には、見世物っぽいシーンが好き。
                    もう悪趣味(笑)な女の子がいっぱい(褒め言葉)。最後の人間椅子的なのはもう飛び抜けて悪趣味!

                    ただB級好きではあるのだけど、チープ過ぎるのも好みではなくて難しい。
                    でも好きな人は確実に好きって映画。

                    ラスボス手前に主人公が戦ったラスボスのペットみたいなの(肩に囚人639)のデザインは好きでした。
                    | 匡介 | - | - | - | - | - |
                    横浜・建築・ジェットコースター。そして初。
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                       ☆
                      横浜に行ってきました。初。
                      埼玉から1時間と少し。朝早かったので眠かったけど、友人と合流して横浜美術館へ。

                      実は美術館に行くために横浜に行った。

                      着いて大きさを見て、コレクション展だけにした。けれど、大きさで予想していたより展示数が少なかったので、企画展の「長谷川潔展」も見てもよかった気がする。(でも、コレクション展だけでも結構時間使ったかな。)
                      初めて行く美術館は、常設だけ見ても結構時間がかかるもので、だから基本的には企画展なら企画展だけで大概は終える。
                      体力的にも3、4時間くらい見るので、企画展のチケットで常設展も見れるといっても常設 or 企画って感じになってしまう。

                      ま、Max Ernstの作品が目的だったので、今回はコレクション展だけで充分。

                      Otto Dixの「仔牛の頭部のある静物」はちょっと面白かった。
                      自分の静物画に対するイメージといえば、まさしく「静」であり瞬間を切り取ったような写実的絵画という感覚だったのだけど、この絵は止まっていて止まっていない印象を受けた。

                      つまり生々しさ。

                      静物画でありながら「動」を感じさせるほどの生々しさのようなものを感じた。
                      物の配置も面白かったと思う。

                      他にも気になったものをひとつずつ書いてしまいたいが、長くなり過ぎてしまうので省く。

                      ただ目的だったErnst以外にも充分に楽しむことができた、ということ。
                      日本のダダはちょっとわからないんだけど(今のところ興味が湧かない)、西洋の画家たちの絵はどれも面白かった。
                      もちろん、日本の画家でよかったものもあるし、画家ではないがイサム・ノグチの作品を見ることが出来てよかったと思う。

                      で、シュルレアリスムの区画にはErnstの作品が10点ほど展示されていた。
                      コラージュ作品が多かったけれど、それが後期のErunstの作品に大きく影響しているのだろうなということは理解できる。

                      元々、Ernstが好きになったのはダダイスムやシュルレアリスムの作品として興味があったわけではなく、単に彼の色遣いが好きだったからなのだけど、白黒だけのコラージュ作品を見て、これをなくしては自分の好きなErunstに到達しなかったのだろうな、という感覚があった。
                      そもそもErnstはフロッタージュやデカルコマニーなどの手法を使っていることから、偶然性とそこから湧き出る想像力による作品を作りたかったように思えるので、コラージュ作品もやはり根底にあるものは同様の感覚なのだろうと思う。

                      むしろ自分が最初に好きになった「最後の森」がErnstの中では変わっているのではないか、という気さえしてきた。

                      あと同じ部屋では断然にDaliがよかった。
                      ちょっと前まではDaliのよさがわからなかったのだけれど、それは単に「記憶の固執」があまりに有名で慣れすぎていただけだと気付いた。そもそも実家に「記憶の固執」の絵が飾ってあったような、気も、する。(定かではない。)

                      明らかにインパクト大の巨大な絵画は3枚組みで、どれも高さは2メートル以上あったと思う。この部屋の主といわんばかりの存在感でほかを圧倒している。
                      Daliの絵は時間とともに味わいが変わってくる。発見するたびに面白くなる、まるでパズルのような絵。この「幻想的風景 暁、英雄的正午、夕べ」もそうだった。

                      そして部屋の中央に置いてあるDaliの彫刻作品。
                      実は絵画よりも彫刻の方がDaliのこと好きなんじゃないかなって思う。「ニュートンを讃えて」もとても面白い彫刻作品だった。部屋に欲しいなって思った。1/8スケールくらいで。

                      この部屋ではないが「バラの頭の女性」というDaliの彫刻作品もとても好き。
                      同じシュルレアリストとしてDe Chiricoの彫刻作品もよかった。

                      ちなみに日本の画家で気に入ったのは下村観山。
                      「四眠」という作品が好きだと思った。


                      横浜美術館はミュージアムショップが充実していて、非常に面白かった。
                      つい長居。


                      横浜の横浜らしい建物が好き。
                      レトロ感のあるやつ。


                      赤レンガ倉庫にも行った。中が結構充実してて地元の人も普段から利用してるっぽいな〜など。


                      なぜか駅に向かう途中に、ジェットコースターに乗った。人生初。
                      そして高いところがダメだったのを思い出していろいろ怖かった。終わってからふらふら。

                      ジェットコースター 


                      | 匡介 | - | - | - | - | - |
                      SBR and Beyond Our Ken.
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                         ★
                        ジョジョ素敵。
                        7部の最終巻読み終えて、シリーズで最も余韻があるように思えた。

                        そして、ここにきて荒木先生はひとつの節目を終えたようにも。
                        それだけ集大成という印象を受ける。始めるための終わりと言えばいいのだろうか。

                        しかしDio>ジョニィってなった気がするんだけど、
                        これはジョナサン以来のジョースター敗北なのでは・・・。

                        なんだかこれからも荒木先生は新境地を拓いてくれそうな予感。ゴゴゴゴゴゴ・・・・



                        「ドリーム・ホーム」のパン・ホーチョン監督作「ビヨンド・アワ・ケン(原題:公主復仇記、Beyond Our Ken)」を観てきた。

                        正直なところ期待以上。

                        とってもキュートで、青春で、ガールズで(笑)、それにユーモアに富んでいて笑えるところも多かったし、伏線の張り方も巧い。シリアスとのバランスも良い。(あと女優が美人さん。)
                        「ドリーム・ホーム」でも思ったけれど、いきなり物語の核心的なところから始めるという導入部分は巧いと思う。最初にグッと惹きつける力がある。

                        個人的には「ビヨンド・アワ・ケン」の方が好きだったかも。

                        ミスリードを誘う部分もよかったし、全体的に監督のイタズラ心のようなものが散りばめられているように感じた。とっても楽しかった。映画観たなーって感じ。

                        自宅のTVでは録画していた「暗殺者(原題:Assassins)」を観たのだけど、個人的にはアクションの魅せ方が好き。
                        スタローン、アントニオ・バンデラス、ジュリアン・ムーアとキャストもなにげに豪華だった。

                        ただラストは、スタローンのかつてのライバルがしたことを踏襲した感じだったらよかったかも。

                        それにしても「ビヨンド・アワ・ケン」面白かった。もう一度観たい。
                        そのうちDVD買ってしまいそうだ。
                        | 匡介 | - | - | - | - | - |
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